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本記事は、複数の士業資格を保有し、現役士業として8年の実務経験を持つ筆者が、業界の内側から本音で解説します。
教科書的な理論ではなく、現場で見てきたリアルな情報をお届けします。
📖 この記事でわかること
- 公認会計士+中小企業診断士ダブル取得の5つのメリット
- 3つのデメリットと120万円の費用内訳
- 会計士→診断士/診断士→会計士の取得順番戦略
- 科目重複で勉強時間を圧縮する方法
- ダブル取得後の3つのキャリアパスと年収相場
公認会計士+中小企業診断士ダブル取得の現実

まずダブル取得の全体像を整理します。
結論、会計士単体より年収+300〜700万円・キャリアの選択肢が3倍に広がるのが最大の魅力です。
理由は、監査業務に経営コンサルティングが加わることでクライアントへの提供価値が一気に高まるからです。
会計士の専門は「過去の数字をチェック」する仕事です。
診断士の専門は「未来の戦略を描く」仕事です。
この2つが揃うと、決算書を見るだけでなく経営改善まで一気通貫で支援できます。
具体的には、MA支援・事業再生・補助金申請・スタートアップCFO業務などが単独資格より圧倒的に有利になります。
とくに中小企業向けには、診断士の知識が信頼関係構築に直結します。
ダブル取得の難易度と費用感
両資格とも国家資格で、難易度は決して低くありません。
公認会計士の合格率は約10%・必要学習時間は3000〜5000時間です。
中小企業診断士の合格率は4〜8%・必要学習時間は1000〜1500時間です。
合計すると4000〜6500時間の学習時間が必要となります。
費用は会計士予備校が60〜80万円・診断士予備校が20〜40万円で合計100〜120万円が相場です。
ダブル取得5つのメリット

具体的なメリットを5つに整理します。
1. クライアント層の拡大
会計士単体だと監査法人または税理士業務が中心になります。ダブル取得すれば中小企業の経営支援まで一気に守備範囲が広がります。
監査クライアントは上場企業中心ですが、診断士は中小企業庁が認定する経営コンサルタント国家資格です。
地方の中小企業からは「会計+経営の両方わかる先生」として絶大な信頼を得られます。
結果、顧問契約の単価が月10〜30万円から月30〜100万円に上がるケースも珍しくありません。
2. MA(企業買収)支援業務
MA案件では財務デューデリジェンスとビジネスデューデリジェンスの両方が必要です。
会計士は財務面・診断士は事業面の評価が得意領域です。
ダブル取得者は1人で両面の評価を完結でき、報酬は1案件500〜2000万円のレンジになります。
中堅FA(フィナンシャル・アドバイザー)としての独立も視野に入ります。
3. 事業再生・補助金支援
経営革新等支援機関の認定を取りやすく、補助金支援業務に直結します。
ものづくり補助金・事業再構築補助金などの認定支援機関業務は年間数百件規模の市場です。
事業再生分野でも、会計士の財務分析力+診断士の事業戦略策定力が活きます。
1件あたり50〜300万円の支援報酬が期待できます。
4. スタートアップCFO・社外取締役
スタートアップ業界では、上場準備とビジネスモデル磨き込みを両立できる人材が枯渇しています。
会計士スキルでIPO準備・診断士スキルで事業計画の妥当性検証が可能です。
フルタイムCFOで年収1500〜3000万円・社外取締役で1社あたり年間300〜600万円の報酬例があります。
5. 教育・研修・執筆業務
会計士+診断士の組み合わせは資格スクールの講師需要も高めです。
経営者向けセミナー講師・書籍執筆・大学院特任教授など、第3キャリアの選択肢も広がります。
ダブル取得3つのデメリット

当然デメリットもあります。冷静に確認しましょう。
1. 費用合計約120万円
予備校代だけで合計100〜120万円が必要です。
内訳は公認会計士コースが60〜80万円・診断士コースが20〜40万円です。
独学だと費用は抑えられますが、合格まで時間が倍以上かかるリスクがあります。
教育訓練給付金制度を使えば最大10万円の補助が受けられる講座もあります。
2. 期間5〜7年の長期戦
会計士に専念して2〜4年・診断士に1〜2年が目安です。
働きながらだと5〜7年は覚悟する必要があります。
20代後半から始めて30代半ばで取得というスケジュール感です。
3. 両試験勉強の認知コスト
会計士の財務会計・管理会計と、診断士の財務会計・運営管理は重複もあれば差異もあります。
切り替えコストが意外と大きく、同時並行は推奨しません。
順番に取得する方が結局は最短ルートです。
取得順番2パターンの戦略比較

取得順番には2パターンあります。それぞれメリット・デメリットが異なります。
パターンA: 公認会計士→中小企業診断士
王道ルートで会計士合格後に診断士に挑むパターンです。
メリットは、会計士の財務会計知識が診断士「財務・会計」科目でほぼ満点を取れることです。
診断士1次試験7科目のうち、財務・会計・経営法務・経営情報システムの3科目は会計士知識でカバーしやすい範囲です。
残り4科目に集中すれば、診断士取得は600〜900時間に圧縮できます。
デメリットは、会計士合格後すぐに監査法人で激務になり診断士の勉強時間が取れにくいことです。
パターンB: 中小企業診断士→公認会計士
診断士を先に取り、会計士に進むパターンです。
メリットは、診断士の財務・会計知識が会計士入門期の基礎固めになることです。
診断士で経営の全体像を掴んでから会計士に進むと、ビジネス感覚を持った会計士になれます。
デメリットは、診断士知識だけでは会計士試験の財務会計の深さに届かず、結局ゼロから学習が必要なことです。
会計士の学習時間が短縮される効果は限定的です。
どちらを選ぶべきか
20代でキャリアの幅を最優先するなら会計士先行・30代以降で経営支援を主軸にしたいなら診断士先行が現実的です。
会計士は受験資格制限がなく、診断士は受験資格制限がないため、どちらからでも挑戦できます。
年齢・キャリア目標・現職の業務領域で判断しましょう。
両資格の科目重複と勉強圧縮テク

ダブル取得の効率を左右するのが科目重複の活用です。
会計士→診断士の重複科目
診断士1次試験の財務・会計は会計士の財務会計論・管理会計論で完全カバーできます。
経営法務は会計士の企業法・租税法と重なる部分が多めです。
経営情報システムは会計士監査論のIT統制知識が活きます。
結果、診断士1次試験の学習時間が通常800〜1200時間→400〜600時間に短縮できます。
診断士→会計士の重複科目
会計士の財務会計論の基礎部分は診断士の財務・会計でカバー済みです。
会計士の経営学は診断士の企業経営理論と内容が近いため、学習時間を短縮できます。
会計士の経済学(選択)は診断士の経済学・経済政策と重複します。
ただし会計士の財務会計論の深さは診断士の比ではなく、結局新規学習が大半です。
2次試験・実務補習の活用
診断士2次試験(事例I〜IV)では会計士の財務分析力が事例IVで大きく活きます。
事例IVは合格者の中でも得点差が出やすい科目で、会計士保有者は満点近くを取れます。
診断士の実務補習15日も、会計士なら財務分析・経営計画策定で実践力を発揮できます。
ダブル取得後の3つのキャリアパス

取得後のキャリアパスは大きく3つあります。
1. Big4+コンサル会社ハイブリッド
Big4監査法人(EY新日本・PwC・KPMGあずさ・デロイトトーマツ)で監査経験を積みつつ、社内のコンサル部門に異動するルートです。
監査→FAS→コンサルと社内キャリアアップでき、年収は30代で1200〜2000万円が見込めます。
診断士資格は社内昇進だけでなく、社外取締役兼務や外部講演の追加収入にもつながります。
2. 独立コンサル・税理士法人パートナー
ダブル取得者の独立成功率は会計士単体より高めで、年収2000〜5000万円も狙えます。
監査業務+経営コンサル+補助金支援+MA仲介と複数の収益源を持てるからです。
顧問契約30社・1社あたり月20万円なら年商7200万円が目安となります。
独立タイミングは35〜45歳が一般的です。
3. 事業会社CFO・社外取締役兼業
IPO準備中のスタートアップCFOで年収1500〜3000万円が相場です。
上場後は社外取締役を複数社兼務して年収2000〜4000万円という働き方もあります。
経営に直接コミットしたい人に向いています。
年収相場の徹底比較

具体的な年収レンジを資格の組み合わせで比較します。
| 資格組合せ | 20-30代 | 40代以降 |
|---|---|---|
| 会計士のみ | 600-900万円 | 800-1500万円 |
| 診断士のみ(企業内) | 500-700万円 | 700-1200万円 |
| 会計士+診断士 | 800-1300万円 | 1200-2500万円 |
| 会計士+診断士(独立) | 1000-2000万円 | 2000-5000万円 |
ダブル取得の年収上積みは+300〜700万円が現実的なレンジです。
独立すればさらに収益のレバレッジが効きます。
ただし独立初期2〜3年は収入が不安定になるリスクも考慮しましょう。
ダブル取得が向く人/向かない人

向く人の5つの特徴
- 5〜7年の長期計画を立てて実行できる
- 監査だけでなく経営支援にも興味がある
- 独立志向が明確で複数収益源を作りたい
- 中小企業やスタートアップ支援に情熱がある
- 学習意欲が高く自己投資100万円以上を惜しまない
向かない人の3パターン
- 監査一筋でBig4パートナーを目指すキャリア志向
- すでに40代後半以降で残りキャリア年数が短い
- 短期で資格を取って収入アップしたい人
とくに監査だけで完結したいキャリアなら、診断士の追加学習コストは合いません。
40代後半以降は、ダブル取得より公認会計士+税理士登録+MBA等の組み合わせが効率的なケースもあります。
よくある質問FAQ

Q1. 同時並行で勉強するのは無理ですか
結論、おすすめしません。試験範囲が広く、切り替えコストが大きすぎます。
まず会計士か診断士のどちらかに集中合格し、その後もう一方に挑む方が結局最短です。
Q2. 通信講座でダブル取得は可能ですか
可能です。両資格とも通信講座のクオリティが高く、自宅学習でも合格者が多数います。
会計士はCPA会計学院・東京CPA・大原・TAC、診断士はスタディング・診断士ゼミナール・アガルートが定番です。
Q3. ダブル取得で最も収益化しやすい業務は何ですか
事業再生支援と補助金支援が即収益化しやすい領域です。
認定経営革新等支援機関の登録+補助金実績で口コミ受注が増えていきます。
Q4. USCPAより診断士の方がいいですか
目的次第です。海外/外資志向ならUSCPA、国内中小企業支援志向なら診断士が圧倒的に有利です。
USCPAとのダブル取得の詳細は別記事で解説しています。
Q5. 税理士+診断士と会計士+診断士はどちらが有利ですか
会計士+診断士の方が業務範囲が広く年収レンジも高めです。
ただし税理士+診断士は中小企業特化で安定収入を得やすいメリットがあります。
Q6. 教育訓練給付金は使えますか
一部の予備校コースで一般教育訓練給付金(費用20%・上限10万円)が使えます。
厚生労働省サイトで対象講座を確認してください。
5年計画の学習スケジュールモデル

実際のスケジュール例を3パターン示します。
パターン1: 学生〜20代社会人(専念型)
1年目: 公認会計士の短答式対策(財務会計・管理会計・監査・企業法)に集中。
2年目: 公認会計士の論文式対策と短答合格。論文合格まで仕上げる。
3年目: 監査法人入所と並行して診断士1次試験対策。
4年目: 診断士1次合格と2次試験対策・口述試験まで完走。
4年で両資格取得・25〜28歳で達成可能なモデルケースです。
パターン2: 30代社会人(両立型)
1〜3年目: 公認会計士の通信講座で平日2時間・土日8時間ペース。
4年目: 公認会計士論文合格・監査法人転職。
5〜6年目: 仕事に慣れたら診断士に挑戦。1次→2次を1年半で突破。
合計6年で30代後半までに両取得を狙えます。
パターン3: 診断士先行型
1年目: 診断士1次試験合格まで集中。
2年目: 診断士2次試験と実務補習で資格登録。
3〜5年目: 公認会計士に挑戦。診断士の財務会計知識を土台に積み上げ。
診断士収入(年200〜500万円)を得ながら会計士に挑む現実的ルートです。
ダブル取得でよくある失敗パターン

挑戦者が陥りがちな失敗を3つ紹介します。
失敗1: 同時並行で両方中途半端
会計士と診断士を同時並行する受験生は、両方とも合格まで時間がかかる傾向です。
試験範囲の切り替えコストが大きく、どちらにも本気度が足りなくなります。
対策は片方に集中して合格してからもう片方へ進むことです。
失敗2: 会計士合格後に診断士を諦める
会計士合格後の監査法人勤務は非常に忙しく、診断士の勉強時間が確保できない人が多めです。
結果として「いつかやろう」が10年経過するパターンも見られます。
対策は、監査法人入所1〜2年目のうちに診断士1次試験を受験完了することです。
失敗3: 独立後の収益化に時間がかかる
ダブル取得しても、いきなり高単価案件が取れるわけではありません。
最初の2年間は顧問先開拓に苦労する人が大半です。
対策は、勤務時代から人脈作り・SNS発信・補助金実績の蓄積を意識することです。
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まとめ: 公認会計士+中小企業診断士は最強のステップアップ

公認会計士+中小企業診断士のダブル取得は、年収+300〜700万円・キャリアの選択肢3倍化を実現する最強の組み合わせです。
費用約120万円・期間5〜7年と長期戦ですが、独立すれば年収2000〜5000万円も視野に入ります。
まずは取得順番(会計士先行/診断士先行)を決め、信頼できる通信講座から第一歩を踏み出しましょう。
20代後半〜30代前半で挑戦すれば、40代でキャリアの果実を最大限享受できます。
📚 参考リンク



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