公認会計士とUSCPAのダブル取得は、グローバル監査やコンサル業界で頭ひとつ抜けるための有力な選択肢です。
ただし、合計4年から6年の学習期間と、150万円を超える費用が必要になります。
本記事では、両資格をどの順番で取るべきか、科目重複をどう活かすか、取得後の年収はどう伸びるかを、ステップアップ戦略として整理しました。
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本記事は、複数の士業資格を保有し、現役士業として8年の実務経験を持つ筆者が、業界の内側から本音で解説します。
教科書的な理論ではなく、現場で見てきたリアルな情報をお届けします。
公認会計士とUSCPAをダブル取得する5つのメリット

結論からお伝えすると、ダブル取得には大きく5つのメリットがあります。
年収アップ、海外勤務、グローバル監査、転職市場での希少性、独立後の差別化の5点です。
ひとつずつ、具体的に見ていきましょう。
メリット1:年収が300万円から500万円アップする
公認会計士のみの平均年収は約800万円から1,000万円とされています。
そこにUSCPAを追加すると、英文監査やグローバルクライアント担当に回されやすくなります。
結果として、シニア以上の昇格スピードが早まり、年収1,200万円から1,500万円帯に到達しやすくなります。
メリット2:海外赴任のチャンスが大きく広がる
Big4監査法人や大手コンサルでは、海外オフィスとの人材交流が活発です。
USCPAを保有していると、米国基準の監査調書作成や英語ミーティングに即戦力として参加できます。
実際、ニューヨーク、シンガポール、香港への赴任者の多くがダブル保有者です。
メリット3:グローバル監査案件で重宝される
上場企業の海外子会社監査では、日本基準と米国基準の橋渡しが必要です。
日本公認会計士とUSCPAの両資格を持つ人材は、グループ監査のキーパーソンとして配置されます。
こうした案件は単価が高く、キャリアの厚みにつながります。
メリット4:転職市場での希少性が高まる
国内の公認会計士登録者は約4万人ですが、USCPAを併せ持つ人は1,000人未満と推定されます。
つまり、ダブル保有者は希少人材として転職市場で優位に立てます。
コンサルティング会社、外資系企業のCFO候補、IPO支援企業など、選択肢が大きく広がります。
メリット5:独立後も差別化できる
会計事務所を独立開業した際、英文決算対応や外資系クライアント獲得で差別化できます。
クロスボーダー案件は単価が高く、年間顧問料も国内案件の2倍程度に設定可能です。
ダブル取得の3つのデメリットと注意点

メリットだけを見て飛び込むと、途中で挫折するリスクがあります。
ダブル取得には費用150万円超、期間4-6年、二重の勉強負荷という3つの重い壁があります。
覚悟と計画があれば乗り越えられますが、事前に把握しておきましょう。
デメリット1:合計費用が150万円を超える
公認会計士の予備校費用は60万円から80万円が相場です。
USCPAは、アビタスやプロアクティブなどで70万円から90万円かかります。
受験料や英文学位審査費用を含めると、合計150万円から180万円が必要です。
教育訓練給付金や勤務先の資格手当を活用しても、自己負担100万円は覚悟しましょう。
デメリット2:取得まで4年から6年かかる
公認会計士の合格までに平均2年から3年、USCPAは1年から2年かかります。
両方を順番に取る場合、合計で4年から6年の長期戦になります。
デメリット3:二重の勉強負荷で挫折しやすい
公認会計士の試験範囲は会計学、監査論、企業法、租税法、経営学と非常に広いです。
USCPAも、FAR、AUD、REG、BECの4科目があり、すべて英語で出題されます。
どちらか一方の勉強だけでも大変な中、両方を計画的に進める精神的なタフさが要求されます。
ダブル取得の順番戦略|JCPA先行ルートとUSCPA先行ルートの選び方

結論として、20代前半なら公認会計士先行、社会人キャリアが長いならUSCPA先行が基本戦略です。
ここでは、2つのルートのメリットとデメリットを整理します。
自分のキャリア状況に合わせて選びましょう。
ルートA:公認会計士先行(JCPA→USCPA)
大学生や20代前半の社会人におすすめのルートです。
先に公認会計士に合格し、監査法人で実務経験を積みながらUSCPAを追加取得します。
Big4監査法人ではUSCPA取得を奨励しており、受験料の一部補助制度がある法人もあります。
JCPA先行ルートが向く人
・20代前半で時間に余裕がある人
・監査法人勤務を本命にしている人
・英語よりまず会計の基礎を固めたい人
ルートB:USCPA先行(USCPA→JCPA)
社会人として5年以上のキャリアがあり、英語に抵抗がない人におすすめです。
先にUSCPAを取得して外資系企業や監査法人のスタッフポジションに転職します。
その後、業務時間を確保しながら公認会計士に挑戦します。
USCPA先行ルートが向く人
・社会人経験5年以上で転職タイミングを探している人
・TOEIC700点以上で英語に抵抗がない人
・最短で外資系または海外キャリアに移りたい人
どちらのルートでも避けるべきパターン
両方の試験を完全並行で進めるのは推奨しません。
試験範囲が異なりすぎて、どちらも中途半端になるリスクが高いからです。
ひとつの試験に集中して合格してから次に進む、というステップアップ方式が王道です。
両資格の科目重複と効率的な活用方法

公認会計士とUSCPAは、財務会計や監査論で大きな重複があります。
片方の知識を活かすことで、二度目の試験準備期間を大幅に短縮できます。
財務会計の重複度は約80%
会計の基本原則、財務諸表の構成、各勘定科目の処理は日米でほぼ共通です。
差分は、日本基準のIFRSコンバージェンス論点と、米国基準特有のリース会計などです。
公認会計士合格者は、USCPAのFARを6か月程度の追加学習でカバーできます。
監査論の重複度は約70%
リスクアプローチ、内部統制評価、監査手続の基本構造は世界共通です。
USCPAのAUDでは、PCAOB基準や独立性規定の米国独特ルールを上乗せで学びます。
公認会計士の監査論合格者は、AUD対策に3か月程度を見込んでおきましょう。
租税法・経営学・企業法は別物として割り切る
公認会計士の租税法は日本の税法、USCPAのREGは米国連邦税法です。
両者はまったく別物なので、重複学習は期待できません。
企業法と経営学についても、USCPAのBECとは設問形式・出題範囲が大きく異なります。
ただし、英文ビジネス用語に慣れているとUSCPA側で有利になります。
ダブル取得の費用・期間シミュレーション

ここでは、JCPA先行ルートで7年計画(学生時代含む)の場合の費用と期間を試算します。
ご自身のキャリアステージに置き換えて参考にしてください。
費用シミュレーション(JCPA先行・社会人モデル)
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 公認会計士 予備校受講料 | 70万円 |
| 公認会計士 受験料・教材費 | 5万円 |
| USCPA 予備校受講料(アビタス等) | 80万円 |
| USCPA 学位審査・受験料・渡航費 | 30万円 |
| 合計 | 約185万円 |
教育訓練給付金や勤務先補助で20-30万円が戻る場合もあります。
期間シミュレーション(社会人モデル)
1年目から3年目:公認会計士に専念し、論文式試験合格を目指します。
4年目:監査法人に入所し実務経験をスタートします。
5年目から6年目:USCPA予備校で学習し、米国受験会場で全4科目に合格します。
7年目:USCPAライセンス取得申請を行います。
ダブル取得後のキャリアパス4選

ダブル保有者には、Big4海外赴任、コンサル転職、CFO候補、独立開業の4つの王道キャリアがあります。
ひとつずつ特徴と年収レンジを整理します。
キャリア1:Big4監査法人で海外赴任
EY、KPMG、デロイト、PwCの4大監査法人では、海外赴任プログラムが充実しています。
ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港、サンフランシスコなどの拠点で2-3年勤務します。
赴任中の年収は1,500万円から2,000万円帯が目安です。
キャリア2:外資系コンサルファームに転職
BCG、マッキンゼー、アクセンチュアなどの戦略・総合系コンサルで重宝されます。
M&Aアドバイザリーや海外子会社再編プロジェクトで、英語×会計の両方を活かせます。
マネージャー職で1,500万円から2,000万円、パートナー職で3,000万円超も可能です。
キャリア3:上場企業のCFO候補・経理財務責任者
IPO準備企業や海外展開を進める成長企業のCFO候補として歓迎されます。
英文決算書の作成、海外監査人対応、投資家向け英語IRなどが主な業務です。
年収1,200万円からスタートし、ストックオプション込みで上振れする可能性もあります。
キャリア4:会計事務所を独立開業
英文記帳代行や海外進出支援に特化した会計事務所として独立できます。
外資系クライアントの月次顧問料は10万円から30万円が相場です。
国内クライアントの2倍程度の単価で、効率的に売上を伸ばせます。
取得段階別の年収相場と昇格スピード

ダブル取得の道のりを年収面で見える化すると、モチベーションが維持しやすくなります。
ここでは、3つのステージごとに年収レンジを整理します。
ステージ1:公認会計士のみ保有(監査法人スタッフ)
公認会計士登録後、Big4監査法人のスタッフとして勤務する場合の年収です。
1年目で約500万円、3年目で約700万円、シニアで800万円から1,000万円が目安です。
ステージ2:ダブル保有(マネージャー前後)
USCPAを追加取得し、グローバル案件の主担当になるステージです。
マネージャー昇格が1-2年早まり、年収1,200万円から1,500万円帯に到達します。
ステージ3:海外赴任・コンサル転職(シニアマネージャー以上)
海外赴任手当や外資系コンサルの基本給で年収2,000万円超の領域です。
シニアマネージャーからパートナーへの昇格コースも視野に入ります。
ダブル取得が向く人・向かない人の特徴

ここまで読んで、自分に向いているか不安になった方もいるはずです。
ダブル取得は誰にでもおすすめできるわけではありません。
特性を踏まえて、向き不向きを整理します。
向く人の特徴
✅ ダブル取得が向く人
・グローバルキャリアを本気で目指している人
・長期間の自己投資にコミットできる人
・英語学習を継続できる人
・キャリアアップで年収を大きく伸ばしたい人
・将来的に独立・海外移住も視野に入れている人
向かない人の特徴
❌ ダブル取得が向かない人
・国内中小企業向け税務のみを業務にしたい人
・英語学習にアレルギーがある人
・5年以上の長期計画を続ける自信がない人
・自己投資に150万円以上かける余裕がない人
向かない場合は、公認会計士単独や、税理士+USCPAなど別の組み合わせも検討してください。
公認会計士とUSCPAダブル取得に関するよくある質問

Q1.働きながらダブル取得は可能ですか?
可能ですが、業務時間と家庭時間の両方からまとまった学習時間を確保する必要があります。
土日合計8時間、平日2時間の学習を5年以上続ける覚悟があれば現実的です。
Q2.先にUSCPAを取って公認会計士を諦めるのはアリですか?
もちろん戦略として有効です。
外資系企業や海外勤務志向ならUSCPA単独でも十分なキャリアが築けます。
Q3.税理士・USCPAのダブル取得もアリですか?
税理士は日本の税法に特化、USCPAは米国会計・税法のため、両方を活かせるのは外資系の在日法人税務などです。
国際税務に興味があれば検討の価値があります。
Q4.USCPAの受験会場は日本でも可能ですか?
はい、現在は東京と大阪のプロメトリック会場で受験可能です。
以前は米国渡航が必須でしたが、現地受験のコストは大きく下がりました。
Q5.ダブル取得後に大学院進学(MBA)は必要ですか?
必須ではありません。
ただし、海外MBAを追加で取得すると経営層へのキャリアアップが加速します。
Big4のパートナー候補は、MBA保有者が多い傾向にあります。
Q6.独学でもダブル取得できますか?
公認会計士の独学はほぼ不可能で、予備校利用がほぼ必須です。
USCPAは英語力次第で独学も可能ですが、効率を考えるとアビタスなどの専門校が無難です。
Q7.英語が苦手でもダブル取得を目指せますか?
結論として、英語に苦手意識があっても、計画的に学習すれば十分達成可能です。
TOEIC500点程度から始め、まず公認会計士に合格しながら英語学習を並行する戦略がおすすめです。
USCPA受験前にTOEIC700点を超えていれば、講義動画と教材を理解できる土台が整います。
Q8.公認会計士の論文式試験前にUSCPA勉強を始めるのは効率的ですか?
おすすめしません。
論文式試験は範囲が広大で、英語学習に時間を割く余裕は通常ありません。
論文式合格後の修了考査までの期間が、USCPA勉強の本格スタートに最適です。
Q9.教育訓練給付金はダブル取得にも使えますか?
USCPA講座(アビタスなど)は専門実践教育訓練給付金の指定講座があり、最大70%の補助を受けられます。
公認会計士の予備校は一般教育訓練給付金で20%程度の補助対象が中心です。
申請手続を忘れずに行うことで、合計30万円以上の自己負担軽減が可能です。
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まとめ|ダブル取得は年収・グローバル両取りの最強戦略

公認会計士とUSCPAのダブル取得は、グローバルキャリアと年収アップを同時に狙える戦略です。
4-6年の長期投資が必要ですが、マネージャー昇格スピード・海外赴任機会・独立後の差別化のすべてで大きなリターンが得られます。
自分のキャリアステージに合わせて、JCPA先行ルートかUSCPA先行ルートを選んでください。
まずは公認会計士の通信講座を比較し、最初の一歩を踏み出しましょう。



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